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今日のこよみ ・2019年(平成31年/猪)
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月名(旧歴日):下弦の月/下つ弓張(しもつゆみはり)
高師直【こうのもろなお】
- 8 人妻に横恋慕した高師直…とんでもないストーカー行為の結末は?
足利尊氏の執事として、室町幕府の実力者としての地位を築いていた高師直は、出雲国・隠岐国の守護である塩冶判官高貞の妻のうわさを聞き、何としても自分の女にしたいと願った。彼女は、もとは後醍醐天皇に仕える女官で、天皇が高貞に下賜した女性であり、美麗の評判が高かった。
師直はまず、『徒然草』の作者・吉田兼好に恋文の代筆を頼み、それを塩冶の妻に渡した。だが、彼女は封を切らず、そのまま捨ててしまう。これを知った師直は兼好に、「お前はまったく役に立たない」と言い、兼好を出入り禁止にしたという。
その後も師直は懲りず、武蔵国守護代で歌人としても知られる薬師寺公義に恋歌を書かせ、彼女に送ったが、見事な返歌で断られてしまった。
拒否されれば拒否されるほど、師直の塩冶判官の妻に対する想いは高ぶっていった。あるときなど、彼女への欲情を押さえきれずに、塩冶判官の屋敷へ忍び込み、彼女の入浴姿をこっそり覗いたという伝承さえ残る。まるでストーカーだ。
どんな手段を用いてもあの女を自分のものに、そう思った師直は、塩冶判官高貞を失脚させて妻を奪取しようと計画し、主君・足利尊氏に「塩冶判官が謀反を企んでいる」と訴える。尊氏は、師直の讒言を信じ、塩冶判官を捕縛しようとした。
これを知った塩冶判官は1341年、京都から妻と郎党を連れて失踪した。だが、追っ手に追い詰められ、播磨国影山(兵庫県姫路市)で自害して果てた。このとき、塩冶判官の妻も夫に殉じたと伝えられる。師直の権力を持ってしても、横恋慕した美女を自分のものにはできなかった。
【出典】![]() |
日本実業出版(著:河合敦) 「 日本史の雑学事典 」 |
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日本史の雑学事典

- 【辞書・辞典名】日本史の雑学事典[link]
- 【出版社】日本実業出版社
- 【編集委員】河合敦
- 【書籍版の価格】1,404
- 【収録語数】136
- 【発売日】2002年6月
- 【ISBN】978-4534034137