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虚血性心疾患 心筋梗塞 陳旧性心筋梗塞【きょけつせいしんしっかん しんきんこうそく ちんきゅうせいしんき】
- 虚血性心疾患は、冠動脈の動脈硬化やけいれんによって心筋への血流が不十分となり、虚血が引き起こされた病気の総称で、大きく「狭心症」と「心筋梗塞」に分けられます。狭心症は、胸痛や胸部圧迫などの狭心症症状を伴い心筋が壊死(えし)に陥っていない段階を呼びます。狭心症の症状を伴わず、また心筋が壊死に陥っていない場合は、無痛性心筋虚血と呼んで狭心症とは区別します。心筋が壊死に陥った場合は、心筋梗塞となります。虚血性心疾患は高齢社会の到来で患者数が増大している疾患です。病状が急変しうること、胸痛以外にも息切れや上腹部痛が主訴のことがあり、しばしば見落とされること、適切に処置すれば救命しうることなどから、臨床的にも極めて重要な疾患です。
心筋梗塞は冠動脈の閉塞によって心筋が壊死に陥った状態です。[1]急性心筋梗塞と[2]陳旧性心筋梗塞に分類され、急性心筋梗塞は心原性ショックや致死性不整脈などの原因となり、陳旧性心筋梗塞は、慢性心不全の原因として重要です。
冠動脈の閉塞は、動脈硬化による狭窄(きょうさく)が進行して最終的に閉塞が生ずるためと、かつては考えられていました。しかし急性心筋梗塞は、狭窄の程度が軽い冠動脈硬化部が突然閉塞するためであることがわかってきました。冠動脈硬化病変(プラークという)にコレステロールの蓄積が進むと、プラーク内の組織が破壊され、不安定になり最終的に破綻します。破綻したプラークでは血栓形成が起こり冠動脈は閉塞します。血管内視鏡で観察してみると、安定プラークでは線維成分が多く白く見えますが、不安定プラークは線維成分が減少してコレステロールが透けて見えるため黄色となります。急性心筋梗塞や不安定狭心症では血栓の付着も認められます。
冠動脈の閉塞部位によって、心筋梗塞が生ずる部位も異なります。右冠動脈(Right Coronary Artery:RCA)の閉塞では、下壁ないし後壁の梗塞、さらに右心室の梗塞(右室梗塞)も起こることがあります。左冠動脈前下行枝(Left Anterior Descending:LAD)の閉塞では、前壁や前壁中隔梗塞が起こります。LADが大きく心尖部から下壁まで回り込んでいると、閉塞によって下壁梗塞も生じ、左冠動脈回旋枝(Left Circumflex:LCX)の閉塞では、側壁梗塞や後壁ないし下壁梗塞が起きます。
梗塞発症後、数週間以上を経過したものを陳旧性心筋梗塞といいます。心筋壊死巣は線維化され、安定した状態となりますが、心電図上での異常Q波と陰性T波がみられます。残った心筋には負荷がかかり心肥大が進行するため、慢性心不全の原因となります。
Ischemic Heart Disease:IHD Myocardial Infarction:MI Old Myocardial Infarction:OMI
【出典】![]() |
寺下医学事務所(著:寺下 謙三) 「 標準治療 」 |
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標準治療

- 【辞書・辞典名】標準治療[link]
- 【出版社】日本医療企画
- 【編集委員】寺下 謙三
- 【書籍版の価格】5,142
- 【収録語数】1,787
- 【発売日】2006年7月
- 【ISBN】978-4890417162