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 山手線①【東京雑学研究会編】


§「山手線」は「やまのてせん」と読むのか、「やまてせん」と読むのか?



現在、駅のローマ字書きでもわかるとおり「山手線」は「yamanote line」と表記されている。しかし、これを「やまてせん」と読んだ過去も実際には存在している。
日清戦争の前後、当時の鉄道会社であった日本鉄道は東京の都心部を一周する鉄道建設を企画した。そして、まず最初に田端から目白まで五・六キロの建設を企画。住民の反対などで若干の修正が加えられ、一九〇三(明治三六)年に田端から池袋間に豊島線が開通した。
このとき、豊島線と品川線(品川から目白)とをあわせて「山ノ手線」と呼びたいという旨が上申書に書かれていたという。
この呼び名は、沿線の自然から名づけられたものである。品川の臨海部に対して、渋谷、新宿、池袋は山の側にあった。そちら方面に住む人々を「のてっ子」と呼んでいたために、自然と電車も「やまのて線」と呼ばれるようになったのである。一九〇一(明治三四)年、そのような経緯で「山手線」は誕生した。
ところが、この呼び名が、戦後、一時的に「やまて線」に変わってしまう。当時、日本に進駐した連合国軍は国鉄に対して、すべての鉄道の路線名をアルファベットで表記するよう指示した。そのとき、国鉄内部で「やまて」と呼ばれていた「山手線」を、担当者がそのまま「yamate」と届け出てしまったために「やまて線」と呼び名が変わってしまうのである。うっかりから生じたことだが、一度決められてしまったものはなかなか変えられないのがお役所仕事というもの。一般市民から数々の苦情が寄せられたものの、その呼び名は一九七一(昭和四六)年まで続いてしまうのである。
同年、国鉄は駅や路線名にきちんと読み仮名をつけ、呼称を統一することに着手した。長年の赤字から、少しでも国鉄に親しみを持ってもらおうと展開した「ディスカバージャパン」のキャンペーンの一環である。日本を再発見する旅行というのが発想の原点で、駅名はより親しみがあり、わかりやすいものの方がいいとされたのである。
「山手線」はもとのとおり「やまのて線」と再び呼ばれるようになった。古きよき東京の余韻を残す言葉である。日本再発見にふさわしい呼称の変更だったのである。

【出典】 東京書籍(著:東京雑学研究会)
雑学大全

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  • 【辞書・辞典名】雑学大全[link]
  • 【出版社】東京書籍
  • 【編集委員】東京雑学研究会
  • 【書籍版の価格】2,160
  • 【収録語数】1,000
  • 【発売日】2004年8月
  • 【ISBN】978-4487799473










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