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 干支紀年法と干支紀日法【かんしきねんほうとかんしきじつほう】


なぜ年月日が干支で表わされるのか



干支紀年法と干支紀日法
 「用明 丁未年四月十五日 崩」
 これは『古事記』に記された用明天皇(聖徳太子の父)の崩御の年月日である。この「丁未年(ひのとのひつじのとし)」というのは西暦では五八七年にあたる。
 年数を干支で表わすことを干支紀年法という。『古事記』においては、ほとんどの日付は数字で表わされているが、『日本書紀』では日付にも干支が用いられている。これを干支紀日法という。
 たとえば、天智六年(六六七年)の近江遷都の日は、「三月辛酉朔己卯」と記されている。「辛酉朔(かのとのとりのついたち)」は三月の朔(一日)の干支(月朔干支)が辛酉であることを意味し、「己卯(つちのとのうのひ)」は遷都のあった日の干支である。六十干支表の干支番号でいうと、辛酉は五八番、己卯は一六番なので、この日は三月一九日であったことがわかる(五八、五九、六〇、一、二……一六まで通算一九)。
 いくら干支に慣れているといっても、三月辛酉朔己卯=三月一九日と、頭の中ですぐに計算できはしない。数字で表わしたほうが便利のように思えるが、昔はそうでもなかったらしい。干支は吉凶禍福の占いと関係してくるからだろうか。それにしても『日本書紀』においては、しつこいぐらいの干支紀日法となっているのは、編集時に逆算して、過去一〇〇〇年以上の歴史年表をつくった煩雑な編年作業のなごりなのかもしれない。
◆天武天皇が建造した初の官立天文台
 干支紀年法も朔の干支を基準とする干支紀日法も、中国をまねたものである。古代中国では天子が暦をつかさどり、毎月の朔を天下国家に公告した。これを告朔という。
 天皇親政の理想的な政治を実現しようとした天武天皇は、告朔の儀を重視し、朔(一日)には官吏が招集され、朝礼あるいは月例会議のようなものが行なわれた。この慣習は平安時代にはすたれてしまうが、干支紀年法や干支紀日法は『日本書紀』以降の六国史に踏襲された。
 ところで、『日本書紀』の天武紀によれば、天武四年(六七五年)の正月に、「初めて占星台を興す」という記述がある。これによって天武天皇は占星術に凝っていたなどといわれることがあるが、当時の占星術は今日の星占いのようなものではない。占星台というのは天文台であり、暦法の整備のためにも必要とされたのだろう。
 飛鳥の里(奈良県明日香村)には、何らかの石造建造物の残骸と思われる巨石がたくさん点在している。一九九九年には天武天皇の即位した飛鳥浄御原宮の宮廷庭園が発掘され、それまで用途が謎とされてきた「出水の酒船石」と呼ばれる巨石が、どうやら庭園の流水装置であった可能性が高いことが確認された。日本初の官立天文台である占星台がどこにあったかは、『日本書紀』には記されていない。しかし、小高い丘の上にある益田岩船と呼ばれる巨石が、占星台の台石だったともいわれる。

【出典】 日本実業出版社(著:吉岡 安之)
暦の雑学事典

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  • 【辞書・辞典名】暦の雑学事典[link]
  • 【出版社】日本実業出版社
  • 【編集委員】吉岡 安之
  • 【書籍版の価格】1,404
  • 【収録語数】198
  • 【発売日】1999年12月
  • 【ISBN】978-4534030214










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