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今日のこよみ ・2019年(平成31年/猪)
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ヴェネツィア【べねちあ】
- 世界遺産にも指定されている、イタリアのヴェネツィア(ベニス)は美しい水の都として有名だ。街全体の水路の数はおよそ一二〇本。車用の道路のないヴェネツィアでは唯一の交通手段が船となっている。ヴァポレット(水上バス)や渡し船など、その種類はいろいろだ。また、水上を優雅に滑るゴンドラもヴェネツィアの風景には欠かすことのできないものである。ヴェネツィアは、アドリア海の潮の干満によって干潟となる湿地帯につくられた「人工島」。その地盤は泥に打ち込んだ木の杭なのである。このような悪条件でも、一二世紀から一八世紀にかけて華麗な建築物が数多く築かれた。ヴェネツィアの起源は六世紀にさかのぼる。ヴェネト地方の住民が東方から侵入した蛮族に追われて逃げてきたのである。地盤の緩い地域なら敵も追ってはくるまいと考えたのだろう。これが一〇〇〇年以上も続く繁栄のはじまりであった。中世、ヴェネツィアは、ビザンティン帝国の経済的、軍事的援助と引き換えに東方交易の特権を手にし、海軍力と富を背景に「アドリア海の女王」として君臨した。しかし、一七九七年、ナポレオンによって崩壊。一八一五年に解放されたが、大国主導のウィーン会議によって、イタリア最古の都市国家は独立を失った。ヴェネツィアの最大の悩みは、なんといってもいまも進行する地盤沈下である。地盤沈下は一八世紀頃からはじまり、一九世紀までの一〇〇年間でおよそ一〇センチ沈んだ。さらに二〇世紀にはスピードアップして一〇〇年間で三〇センチと三倍のペースになっていった。八〇〇年頃の都市建設当時から見ると、すでに一・五メートルほども没しているのだといい、一階部分が使えなくなっている家も多いようだ。また、一〇月から四月にかけて数回起こるアクア・アルタという高潮現象もヴェネツィアの人々にとっては悩みの種。街中が水浸しになるため、長靴は必需品となる。今後も一?一・五メートルの高潮が起きるおそれがあり、地盤沈下とともに早急な対策が求められる。
いまも地盤沈下を続ける、水の都「ヴェネツィア」
【出典】![]() |
東京書籍(著:東京雑学研究会) 「 雑学大全2 」 |
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雑学大全2

- 【辞書・辞典名】雑学大全2[link]
- 【出版社】東京書籍
- 【編集委員】東京雑学研究会
- 【書籍版の価格】2,160
- 【収録語数】1,000
- 【発売日】2004年8月
- 【ISBN】978-4487801305