見出し語 全文検索 [ランダム検索]




婦人科

トップ各診療科から検索婦人科

性感染症 クラミジア感染症、尖圭コンジローマ【せいかんせんしょう くらみじあかんせんしょう、せんけいこんじろーま】
Sexually Transmitted Disease:STD

[受診科] 婦人科

【概説 】
 性感染症(最近は、Sexually Transmitted Infection:STIとも呼ばれます)は、性行為を介して相互に媒介される感染症をいいます。以前は性病と呼ばれ、梅毒、淋病、軟性下疳(なんせいげかん)、鼠径(そけい)リンパ肉芽腫(にくげしゅ)症の4つを性病予防法で管理していましたが、性感染するほかの疾患も多く知られるようになって1999年に廃止されました。そして「新感染症法(感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律)」の制定によって、性感染症も、他の多くの感染症と同じく一般の医療機関で取り扱う疾患となり、“性的接触により誰もが感染する可能性があり、正しい知識の普及と慎重な予防を実践すれば予防が可能”と認識されるようになりました。
 現在知られている性感染症は、約80種類もあります。代表的なものを表(表:性感染症の主な種類)に示しますが、近年では、細菌性疾患に変わって、クラミジアやウイルス性の疾患が増えています。このうち感染症法で全数把握が義務づけられている疾患は、梅毒とHIV感染症/AIDS(エイズ)の2疾患で、定点把握(指定された医療機関が届け出る)が指定されている疾患は、クラミジア感染症、淋菌感染症、尖圭(せんけい)コンジローマ、性器ヘルペス感染症の4疾患です。

【症状 】
 性感染症の問題点は、感染していてもその多くが無症状か、症状があっても軽くて感染に気がつきにくいことです。したがって、感染者が治療を行わないまま人に移してしまうことが繰り返されてしまう点があげられます。女性は、性交の当事者間で感染する(水平感染)ばかりでなく、妊娠・出産によって次世代に感染させる(垂直感染)危険性もあり、早期の発見および治療が大切です。そのため、
[1]性感染症を予防する知識をつけさせること(教育・啓発の重要性)。
[2]無症状でも定期的あるいはパートナーが変わったら検査をする習慣をつけること(検診の習慣)。
[3]感染が見つかったら、本人ばかりでなく性的パートナーにも治療を行うこと(適切な治療)。
[4]ワクチン予防が可能な疾患に対してはワクチン接種を行うこと(ワクチン接種の徹底)。
が大切であり、予防がとても重要になってきます。
1.クラミジア感染症
 最も多い性感染症で、1950年代、トラコーマと呼ばれた眼瞼結膜炎の原因菌であったクラミジアが、性感染症として広まっています。
 男性は尿道炎、女性は子宮頸管炎のかたちで感染しますが、男性は感染者の半数が、女性は8割が無症状あるいは感染に気がつかないといわれています。症状は、排尿痛、分泌物の増加、腹痛、倦怠感などですが、軽い症状も多くみられます。
 女性は、子宮内から卵管、骨盤内へと上行感染し、骨盤腹膜炎を起こすこともあります。重篤化し肝臓周囲に膿瘍(のうよう)を形成することもあります(フィッツ・ヒュー・カーティス〈Fitz-Hugh-Curtis〉症候群)。この場合には、激烈な腹痛、発熱、上腹部痛などの症状が出ます。分娩時に産道で児に感染すると、新生児に結膜炎や肺炎を起こすこともあります。
2.尖圭(せんけい)コンジローマ
 HPV(ヒトパピローマウイルス)の6型、11型感染による外陰部、膣壁、陰茎、亀頭周囲、肛門周囲、あるいは咽頭にできる疣贅(ゆうぜい)=イボです。1mm〜3cm大の先のとがった鶏のトサカのようなイボで、痛みはなく、放置しても悪性化することはありません。
 感染から腫瘍ができるまで3カ月ほどで、自然治癒することもありますが、多くは薬物療法や外科療法で治療が必要となります。
【標準治療 】
 薬剤として、イミキモド5%クリーム(ベセルナクリーム)が発売されています。欠点として、表皮には塗布できますが粘膜面には使えないこと、発赤や疼痛などの副作用があること、治癒まで長期かかることがあげられますが、一方、切らずに治せるようになりました。外科的治療では、メスや電気メスによる切除、冷凍療法、レーザー蒸散などがあります。
 現在、子宮頸ガンの主な原因になっているHPV16型、18型とともに、6型・11型を含んだ4価ワクチンが発売されているので、今後ワクチン接種が進めば、尖圭コンジローマの撲滅も遠くはないでしょう。
このページの執筆医師【対馬ルリ子

【関連コラム】
婦人科腫瘍総論

『標準治療(寺下医学事務所)』 書籍版

標準治療(寺下医学事務所)について
あなたの最適な治療法がわかる本。誰もがかかる可能性の高い代表的な疾患約570を収録、各疾患ごとに最適な治療法を具体的に解説している。また、治療を受ける上で気になる医療用語、診療科別の名医紹介、コラムなども掲載している。
『標準治療(寺下医学事務所)』 書籍版

約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。


出版社 日本医療企画[外部リンク]
編集 寺下 謙三
価格 5,142
収録数 1787疾患
サイズ 21.8x15.6x6.6cm(A5判)
発売日 2006年7月
ISBN 978-4890417162
関連電子書籍

 電子書籍

私を救う医者はどこ?

私を救う医者はどこ?

  • 【著者より】病の恐れをひとり抱えている時...>>続く
iBooks GoogleBooks kindle