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心療内科・精神科

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自律神経失調症【じりつしんけいしっちょうしょう】
Vegetative Dystonia

[受診科] 心療内科・精神科
【概説 】
 この病気は、様々な自律神経系の不定愁訴(ふていしゅうそ:めまい、ふらつき、動悸、倦怠感など)を訴えますが、器質的な疾患や顕著な精神障害が認められないものをいいます。多くの症状を自覚するために、内科、耳鼻科、婦人科、脳外科などを受診し、様々な検査を受けますが、ほとんど異常はないので、「気のせい」「疲れのせい」ですまされてしまいます。そのために、患者さんの苦痛は軽減されずに、“ドクターショッピング”(医者のはしご)を繰り返したり、民間療法や高価な健康食品に頼っている人も多いようです。
 この病気の原因としては、[1]体質的に自律神経系が不安定な人、[2]ストレス・過労がたまっている人、[3]不眠などで生活リズムが不規則な人、[4]女性で性ホルモンの周期が不規則になっている人(更年期など)によるものなどがあります。また、他の精神障害(神経症やうつ病など)で自律神経失調症状を示すことがあり、会社に提出する診断書には精神疾患名を書くとさしさわりがあるので便宜的に「自律神経失調症」とする場合もあって、この病気の概念が混乱する原因ともなっています。

【症状 】
 全身にわたっての自律神経系の症状がでたり消えたりするので、不定愁訴と呼ばれることもあります。多くみられる症状には、めまい、ふらつき、動悸、息切れ、倦怠感、疲れやすいこと、手足の冷え、発汗、頭ののぼせ、頭痛、頭重感、不眠、食欲不振などがあります。また、多くの場合、病気に対する不安や心配で精神的にも不安定になっており、不安、緊張、過敏、抑うつなどを伴うことがあります。
【診断 】
 この病気にはいくつかのタイプがあります。[1]本態性自律神経失調症:体質的な自律神経系の機能障害があって、幼児期から立ちくらみなどの症状が多いものの精神症状は少ない、[2]神経症型自律神経失調症:自律神経機能の障害が少ないが、症状の訴えは多く、心理・社会的因子が強く関係している、[3]心身症自律神経失調症:自律神経機能障害と心理・社会的因子の双方の影響が強い、などがあります。診断のためには上記のような症状に加えて自律神経機能検査が行われます。検査には、起立試験(起立時に血圧が大幅に下がり、頻脈(ひんみゃく)となり、心電図上の変化が生じる)、皮膚紋画(ひふもんかく)症(皮膚を爪で軽くひっかくと、赤くなったりはれたりする)などがあります。
【標準治療 】
 これらの症状は一時的なことが多く、安静や休養を十分とって生活リズムを取り戻せば、自然に軽快していきます。しかし、自分でうまくコントロールできない時には、抗不安薬や自律神経調整薬を服用することが必要な場合もあります。また、リラックス法である自律訓練法を習得すると自律神経系が安定する作用があります。他の精神障害による自律神経症状の場合は、基礎となる病気の治療が必要です。
●標準治療例
[1]自律神経系が不安定な場合
 ・グランダキシン(50mg)  1回1錠1日3回(毎食後)
[2]不安が強い場合
 ・リーゼ(5mg)  1回1錠1日3回(毎食後) または
 ソラナックス(0.4mg)  1回1錠1日3回(毎食後)
【生活上の注意/予防 】
 自律神経は、本来外敵から身を守り、自分の体をある一定の状態に保つ働きをしています。ところが、過度な緊張や過労、ストレス、睡眠不足などが続くと、そのバランスがくずれて、心身の不調が生じます。したがって、疲れやストレスをためない、生活のリズムを守るなど一般的な注意が一番の予防法です。
このページの執筆医師【野村忍

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編集 寺下 謙三
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発売日 2006年7月
ISBN 978-4890417162
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